一般講演会「ヒッグス粒子に迫る」 9月1日開催

9月1日(土)に東京大学安田講堂で一般講演会「ヒッグス粒子に迫る」を開催いたします。

ヒッグス粒子は、宇宙誕生直後光速で飛び回る素粒子に質量を与え、今日見られるような星や銀河等複雑な構造を形成するきっかけになったと考えられている素粒子です。
先日7月4日、ATLAS・CMSの両グループが統計的に十分な有意度でヒッグス粒子と思われる素粒子を発見したと報告しました。
本講演会では、この発見が実際どのようにしてなされたのか、そしてヒッグス粒子が宇宙誕生の謎にどう関わっているのかといったことなど関して、一般向けにわかりやすくお話する予定です。
皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。


日時 : 2012年9月1日(土) 13:00〜 (開場12:00)
場所 : 東京大学本郷キャンパス 安田講堂
定員 : 900人(入場無料ですが、先着順なのでお早めにお越しください)
講演者: 
浅井祥仁「ヒッグス粒子をとらえる」
北野龍一郎「ヒッグス粒子を超えて」

ヒッグスセミナーとその後@CERN

セミナー後、ATLASのヒッグス解析グループ関係者が集まってシャンパンで祝杯を挙げました。7グループあるので、7本のシャンパンが準備されて、gamgamとtautauのシャンパンは日本グループが開けました。

セミナーの最後のスタンディングオベーションは隣の研究者(7本のシャンパンを開けた一人ですが)が提案してやったものです。この辺はヨーロッパらしいところです。

ヒッグス粒子のお話【第5回】

本日7月4日、ここCERNにおいて、ヒッグス粒子に関するセミナーが開かれます。この中では、今年2012年に取得したデータを用いて行ったヒッグス粒子探しの結果について報告がされる予定です。今年はまだ半分過ぎたばかりなのですが、実は既に去年一年間に貯められたデータと同じ分だけのデータが貯められています。
そこで、一度中間まとめとしてヒッグス粒子探しについての今年の結果を、皆さんに報告しておこうという趣旨で開かれるセミナーです。難しい数式こそないものの、一目見ただけではよくわからない図やグラフがたくさん出てきます。今のうちに少しでも見慣れておいて、本番に備えましょう。

さて、第三回まで、ヒッグス粒子ガンマ線2本に崩壊するような壊れ方を探す方法についてお話しました。その中で少しだけほのめかしましたが、ヒッグス粒子というのはガンマ線以外にもさまざまな崩壊の仕方をします。今は一刻を争ってヒッグス粒子を探している最中ですので、それらをみすみす見逃してしまうのはもったいないです。そこでそれぞれの崩壊の仕方について、きちんとヒッグス粒子の痕跡を探すような解析が行われています。今回はその中でも、「ガンマ線2本」法に次いで簡単な、「レプトン4本」法についてお話したいと思います。

前回のエントリーで、素粒子というのは似た性質ごとに幾つかのグループに分けられるというお話をしました。例えば電子と似た性質を持った素粒子にはミューオンというものがあります。重さが違う以外はほとんど同じようなものですので、よく電子の兄貴分に例えられます。この兄弟をまとめて「レプトン」と呼びます。(実はこの上にさらに「タウ」という長男がいて三兄弟になっているのですが、このタウはあまりにも重すぎて、実験的な観点からは扱いが異なってきてしまいますので、ここでは単純に電子とミューオンのみを考えておきます。)
先ほどの「レプトン4本」法というのは、ヒッグス粒子が4本のレプトンへと崩壊する様子を捉えてヒッグス粒子を探してあげようというものなのですが、そこに行く前に、もう一つだけ素粒子のグループを紹介しておかなくてはいけません。

素粒子物理学は、文字通り素「粒子」を研究する学問です。そのため、ありとあらゆるものを「粒子」と考えて計算を行います。「力」でさえも例外ではありません。例えば電気を司る「電磁気力」も、光の粒が媒介して力を伝えていると考えます。この「力」を伝える粒子の一群を、「ゲージ粒子」と呼びます。この中には、「強い力」というものを伝える「グルーオン」という粒子や、「弱い力」というものを伝える「W粒子」や「Z粒子」といった粒子が含まれています。
「強い力」と「弱い力」というのは、別にこのブログ向けに簡単にした表現ではなくて、きちんと専門用語として定義されている言葉です。どちらも素粒子の世界くらい小さな範囲でしか働きません。なので私達が普段の生活の中で気にすることはありませんが、素粒子の世界ではむしろ主役になる力です。そしてその力は「W粒子」や「Z粒子」が飛ぶことによって運ばれていると考えています。力を媒介するのが「粒子」というのは感覚的には理解しづらいものだと思いますが、実際このような考え方で計算を行うとさまざまな現象が上手く説明できることが分かっていますので、おそらく極微の世界は本当に粒子達が飛び回る楽しい世界なのでしょう。



さて、「レプトン4本」法の話に戻りましょう。
ヒッグス粒子の崩壊の仕方の一つに、「ヒッグス粒子がZ粒子2つへ崩壊する」というものがあります。 そしてそれぞれのZ粒子はすみやかにレプトン2本へと崩壊して、計4本のレプトンが生まれます。「ガンマ線二本」法と同じようにこれらのレプトンの向き・エネルギーを組み合わせてあげると、ヒッグス粒子の質量を計算することが出来ます。
陽子同士の衝突からは、ヒッグス粒子以外にもレプトンが4本出てくるようなことが起こりますが、これらバックグラウンドについては、4本のレプトンを組み合わせてもヒッグス粒子とは無関係の重さになってしまい、分布もなだらかに散らばりますので、ヒッグス粒子からのものと区別することが出来ます。つまり、レプトン4本から計算した質量の分布を作ってあげて、その中に「コブ」があれば、それがヒッグスだということになります。レプトン4本を使う以外は、すべて「ガンマ線2本」法と同じようなやり方です。

さて、去年の結果を見てみましょう。

これがなかなかの難物です。ヒッグスが作る「コブ」というのはすぐには分かりません。黒丸が実際に測定したデータ点、赤で描かれているのは先ほど述べた「バックグラウンド」の形になります。(水色・オレンジ・ピンクはヒッグスのシグナルがもしあったらこのくらいになりますよ、という予想の絵です。)このバックグラウンドの上にこんもりと山のような形が見えたら、それがヒッグス粒子由来のものになるのですが、、、この図ではまだ黒丸がばらばらでよくわかりません。
ガンマ線2本」法では、125GeVのあたりにヒッグスの兆候が見えていました。この図でもそのあたりを見てあげると少しだけ黒丸がいるようですが、たまたまそうなっただけにも見えてしまいます。どうやらもっとデータを貯めて黒丸の数を増やしてあげないと、結論を出すことは出来なさそうです。もうすぐセミナーで明かされるであろう今年の結果に期待をしておきましょう。


もう一つ、とても大切なグラフを紹介しておきます。
去年ヒッグス粒子の兆候が見えた時、新聞・テレビ等で、「99.98%の確率で発見をした」という表現をしました。先ほどの図からも分かるように、データ点の数は限られていますので、必ず数のフラつきというのが存在します。コインを投げた時、裏が出る確率と表が出る確率は厳密に同じです。ところが例えば10回コインを投げたとすると、表が出る回数は4回だったり6回だったりまちまちにフラつきます。同じようにヒッグス粒子探しでも、予想では3個いるはずなのに、たまたま4個のデータ点がいたり、はたまた1個だけしかいなかったり、ということが起こります。
もし125GeVにデータ点が多めに出たりしてしまうと、それは偽物の山を作ってしまいます。このようなことが起こる確率を計算して、それを100%から引き算してあげたのが先ほどの数字です。つまり「たまたま」データ点のフラつきで125GeVに山が生まれてしまう確率は0.02%でした、ということになります。データのフラつきで出来た山は偽物ですので、この確率が小さければ小さいほど間違いの可能性は小さくなります。

素粒子物理学で「発見」を主張するためには、この「たまたま間違える確率」が0.00003%以下でなくてはいけないという取り決めがあります。この「たまたま間違える確率=0.00003%」の基準はとても大切なラインですので、研究者はこれを「5σ(しぐま)」と特別に名前をつけて呼んでいます。
さて、この「たまたま間違えている確率」を計算したものが以下のグラフです。

縦軸がたまたま間違える確率、横軸がヒッグス粒子の重さを表しています。今は125GeVだけを考えればよいのでそこを見ておきましょう。右側の縦軸を見てください。ここには、先ほど述べた「σ」の数が書いてあります。去年の結果を表したこの図の中にはまだ「5σ」は現れていませんが、今年はきっとそのくらいまでグラフが伸びるはずです。もし図中のグラフ(実線)がそれよりも下に行けば「5σ」の基準をクリアしたことになり、晴れて「ヒッグス粒子発見」を主張することができます。もしそれに届かなければ、まだもう少しデータを貯めてフラつきを少なくしましょう、ということになります。この場合、「ヒッグス粒子発見」はまたしばらくお預けです。

さて、もうすぐセミナーが始まります。果たしてアトラス実験、そしてそのライバルであるCMS実験が、果たしてこの5σの基準を超えられるか、そこに注目して結果を待ちましょう。

それでは。

セミナーのwebcastはこちらから見れます。

今回引用した図・グラフは、こちらの論文から引用しました。

Phys.Lett. B710 (2012) 383-402
arXiv:1202.1415

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佐々木・山口

ヒッグス粒子のお話【第4回】

時間がだいぶあいてしまいましたが、ヒッグス粒子探しの続きです。前回は、ヒッグス粒子が2つのガンマ線に崩壊するような現象の説明でした。ガンマ線は目で見ることができませんので、電磁カロリメータの中で電子のシャワーに変換して、電気信号として検出してあげます。電気信号の大きさはガンマ線が持つエネルギーに比例しますので、そこから元のガンマ線のエネルギーを知ることが出来るというお話でした。


さて、この中に登場する素粒子はどれも身近なものでした。ガンマ線は光の仲間ですので言うに及ばず。電子だって、現在進行形で眼の前のパソコンや携帯電話の中を駆け巡っている存在ですので、生活に欠かせない親しみ深い存在です。
しかしこれらは素粒子のうちのまだまだ一部分にしか過ぎません。世の中にはもっとたくさんの素粒子が存在しています。似た性質ごとにそれらをまとめていくと、幾つかのグループに分けられます。

電子と同じグループに属するものの一つに、「ミューオン」という粒子があります。このミューオンは、電子の兄貴分に相当する素粒子です。ほぼ完全に電子と同じ性質をもっていて、唯一重さが違う程度しか差がない素粒子です。ところがその重さたるや実に電子の200倍と文字通り桁違いに重いですので、結果としてもろもろ電子とは異なる振る舞いをします。

電磁カロリメータのところで説明をしましたが、電子は原子核に引っ張られて、ガンマ線を出したり、それが対生成・対消滅をしたりします。電磁カロリメータはその性質を上手く使って電子を倍々ゲームで増やし、電気信号として検出するのでした。ところがミューオンは電子よりもはるかに重いので、原子核に多少引っ張られても全然気にしませんし、ガンマ線を出すこともありません。ガンマ線を出さないので、倍々ゲームをはじめることが出来ません。そしてほとんどエネルギーを失うこと無く電磁カロリメータを素通りしてしまいます。

さて困りました。とても分厚い電磁カロリメータを素通りしてしまうとなると、どうやってもミューオンを「捕まえる」ことは難しそうです。ミューオンが飛んだ向きを調べたり、エネルギーの大きさを測定したりすることが出来ません。そこで少し方針を変えて、「素通りしても構わないから、そのかわり何らかの痕跡を残していってもらう」という作戦に方針を転換してみましょう。


物質の中には電子が満ちています。その中をミューオンが通ることを考えます。ミューオンは電子と同じ性質を持っていますので、当然電気を持っています。ゆえにミューオンが何らかの物質を通過すると、周囲の電子を引き付けたり反発したりしてドカドカと動かします。この電子を電気信号として捕まえてあげることで、「ミューオンが通りました」という痕跡を検出することが可能です。

ボーリングのピンが体育館の床一面にびっしりと立てられている様子を想像してください。この中にものすごく重いボールを投げ入れてみましょう。ボールが通った経路の周囲にあるピンはバタバタと倒れます。もし透明なボールだったとしても、ピンが倒れる様子から、ボールがどこを通ったか見当は付くでしょう。この場合、ボールがミューオン、ピンが物質中の電子に対応しているわけですが、重さの比はそれどころではなく、実に200倍。インディージョーンズと、その後ろを追いかける大岩の比と同じくらいあります。圧倒的な破壊力で、周囲のピンをなぎ倒しながらずんずん進んでいくわけです。通常のボーリングボールならある程度ピンを倒したところで止まってしまいますが、ミューオンは進行方向にあるすべてのピンを倒して、それでもさらに進み続けます。

何はともあれ、どこのピンが倒れたかを見ることで、ミューオンの動く方向を知ることは出来ます。ところが進行方向上のピンはすべて倒してしまうわけですから、エネルギーの大きさを知ることは出来ません。これは問題です。エネルギーを知るためにはさらに一工夫をしなくてはいけません。


先ほどミューオンは電気を持っていると述べました。ゆえにミューオンが磁石の近くを通ると、その磁場を感じて進む方向が曲がります。この曲がり具合というのは、ミューオンの速さに依存して大きさが変わります。ミューオンが速い、つまりミューオンのエネルギーが大きいほど曲がりづらくて、ミューオンがゆっくり動いているときには簡単に曲がります。

この性質を利用すればミューオンのエネルギーを知ることができそうです。先ほどの体育館の床下に強力な磁石をたくさん敷き詰めておきます。この中を電気を持っているミューオンが進んでいくと、磁場を感じて進む向きが変わっていきます。ミューオンが速ければ曲がり辛いので、ほぼ直線状にピンが倒れていきます。もしミューオンが遅ければ磁場によって曲げられやすいですので、ピンは弧を描くように倒れていきます。この違いを見ればミューオンのエネルギーは一目瞭然に分かります。



磁場中で曲がっていくミューオンの様子を上手くイラスト化したのが、アトラス検出器のライバルである、CMS(しーえむえす)検出器の人たちです。彼らのロゴを見ると、曲がった赤線が三本描いてあります。これがミューオンを表しています。下から、エネルギーの小さいミューオン、中くらいのミューオン、エネルギーが大きいミューオンとなっていて、その順で曲がり具合がどんどん小さくなっている様子が分かると思います。とても教育的な絵柄です。

さて、我らがアトラス検出器を見てみましょう。

右図は、アトラス検出器がまだ建設途中の頃の写真です。これを見るとまず目につくのは、外側に放射状に設置されている計8本のチューブです。これがミューオンを曲げるための磁石になります。このチューブの中にぐるりと線材が巻きつけられていて、超伝導磁石を形成しています。奥行き25mもある超巨大な磁石です。まだこの写真にはありませんが、この後、磁石の中にミューオンが通過した軌跡を記録するための検出器が設置されます。ガスを用いた検出器を始めとして様々なタイプの検出器が使われていますが、どれも原理は先ほど述べたのと同じで、ミューオンに跳ね飛ばされた電子を検出する仕組みです。


アトラス検出器の内側の方にも特殊な磁石が設置されています。それが次の写真になります。この磁石は電磁カロリメータよりも更に内側に置かれるため、電子やガンマ線の邪魔にならないよう特別に薄く作ってあります。どこにコイルが巻いてあるのだろうというくらい薄いものですが、これも超伝導磁石になっていて、強力な磁場を作っています。当然この中にもミューオンの軌跡を調べる装置が設置されます。*1この内側、外側の2つの磁石・検出器でミューオンが飛んだ経路を調べることで、ミューオンのエネルギーと運動方向を知ることが出来るのです。

さて、今回は私達にあまり馴染みのないミューオンという素粒子のお話でした。見たことも聞いたことも無い素粒子を検出しようというお話自体がどうにもしっくり来なかったかも知れません。ところが実はこのミューオンは、ヒッグス粒子探しにおいてはとても重要な役割を果たします。ゆえにどうしても一旦説明をしなくてはいけませんでした。このミューオンを使ったヒッグス粒子探しについてが、次回のお話になります。

前エントリーで告知しましたように、7月4日に今年取得したデータによるヒッグス粒子探索結果についてのセミナーが開催される予定です。それまでにもう一回更新できればと思っています。

それはまた。

*1:この検出器はミューオンのみならず、電子やその他電荷を持った粒子を検出するのにも使われます。

ヒッグス粒子ってなんだろう?

東京大学秋本祐希です。実験の方が佳境に入っている中の更新ですみません...!

ずいぶんと間が空いてしまったのですが、絵で見る物理学。今回はそもそもヒッグス粒子ってなんだろう、というお話です。
今回のイラストを作るにあたってはICEPPの小林富雄様と東京大学の浅井祥仁様に沢山のご助力をいただきました。誠にありがとうございます。

ビッグバン直後の熱い宇宙では、すべての素粒子は現在の光(光子、フォトン)と同様に質量のない状態でした。この世界ではみんながみんな、光と同じ速度で運動していて、止まることもできない世界です。

そんなスピード狂な世界も、そう長くは続きません。宇宙はどんどん膨張していき、それにしたがって温度がどんどん低くなっていきます。

そしてビッグバンから10^(-10)秒後、宇宙の温度が1000兆度に下がったとき、「相転移」という現象が起こります。この相転移によって宇宙の状態が大きく変わります。この「相転移」ですが、けっして難しい現象ではありません。毎日皆さんの家の台所、おもに冷蔵庫の中やポットの中で起こっていることなのです。

相転移が起こり、エネルギーが低い状態になると偏った世界になります。下の図にあるように、相転移は鉛筆を支えている穴が大きくなることに対応します。つまり、相転移前では鉛筆は穴に刺さってまっすぐ立っていますが、これはあまり安定した状態ではありません。それに対して相転移後、穴が大きくなった状態になると、鉛筆は自然に安定な状態に、どちらかの方向に傾いて倒れこみます。鉛筆の傾き方は一通りではありません。これが「偏った」状態の世界です。これを南部先生が考案された「自発的対称性の破れ」といいます。

これをヒッグスで考えます。温度が100兆度よりも高い時には、ヒッグス粒子(場)に満たされた宇宙は相転移がまだ起きておらず、ヒッグスは素粒子に「くっつく性質」と「はなれる性質」の両方がバランスします(下の絵の左側)。これに対して温度が低くなっていき宇宙の相転移が起きると、ヒッグスは偏った性質、「くっつくだけの性質」を持つようになるのです(下の絵の右側)。


このように温度が下がった相転移後の宇宙では、ヒッグスにまとわりつかれた素粒子は運動しにくくなります。つまり、ヒッグスに絡まれた素粒子は光の速さより遅くしか運動できなくなります。このヒッグスにまとわりつかれやすさ、これが「質量」のはじまりなのです。

最後にこそっと宣伝なのですが、今までに描いたブログ記事などを個人サイトHiggstanにも転載するようにしてみました。お時間があれば覗いてみてくださいませませ。