重イオン衝突でのジェットの消滅現象

KEKの徳宿です。
今年の陽子・陽子衝突のプログラムは11月4日で終わり、11月7日からは世界最高エネルギーでの鉛の原子核同士を衝突させるプログラムを12月6日まで行って、今年のLHCでの実験は終了します。
 鉛衝突のデータをとり出してすぐに、アトラス実験は面白い現象を観測し、早速26日に論文投稿しました。詳しい内容はKEKのトピックスに載せてありますのでそこを参考にしてください。この現象はジェットクエンチングと呼ばれ、米国ブルックヘブン研究所(BNL)での重イオン衝突でもそれらしい観測がありましたが、まともにジェットのエネルギーを測定して示したのは初めてのことです。アトラス検出器が衝突点から出た粒子を(ニュートリノなど見えない粒子を除いて)ほとんどすべて捕まえられるのでできる解析です。
 今年のプログラムももう少し、たくさんとったデータの解析が進んでいます。