inst. Luminosity 1E27 >> 1E28 /cm2/sec

4月2日に squeeze という お題のコメントを書き込みました。
その "squeeze" にまつわり ... ここ10日間位 (4/13以降) は

  • squeeze すること、それ自体がスムーズに運ぶための手順確立
  • その過程の中で磁石の強度を調整する i.e. 磁石に流す電流をコントロールするソフトウエアに隠れていた不具合の発見、解消
  • beam opticsの基本パラメーター測定、確認、調整
  • 実験測定器の安全を確保する、LHC自身の安全の確保するためのコリメーター位置の再設定、新設定での beam loss rate の確認
  • 多分、他にも イロイロ ... ...

が、行われていました。アトラスにとってこれが意味することは、加速器側から "Stable Beam" という宣言が出ないので beamのパスに近い測定器の安全を確保せねばならず、従って 本来 与えるべきオペレーション電圧をかけられず、あるべき姿でデータがとれない
... ということで、そういう boring な日が 約10日間続きました ( except 4/16 )

4/23 朝、すべての準備が整ったので予定通りすべていけば STABLE BEAM flag を出す、かつ LHC ring につっこむバンチ数も3 x 3 、アトラスで2衝突 というアナウンスがありました。( 今までは 2x2 , 1-crossing @ ATLAS)

squeeze の効果で ~5倍、衝突回数で2倍、あわせて10倍(!) 3/30 以来の nominal inst. Luminosity が 1E27 だったので、1E28 が予想されます。trigger menu もそれに対応したセットを用意。

2:00 a.m. 頃、通常設定での衝突が始まり ~ E27
4:00 a.m. 頃、inst. Lumi がグングンあがりはじめ 1.1E28 が既に数時間キープされている

そして ... LVL1 Muon トリガーのレートが始めて 2.1Hz という値になった。衝突からのミューオンの効果を見た、多分、始めての機会だと思う。今までは、常に宇宙線の chance coincidence rate に負けていて、衝突が起こり始めても muon rate をみているだけでは、それに気づくことができず、なんとなく寂しかったので、ちょっと嬉しい。

2010年の目標値 1E32 まで 、あと4桁!! でも、この後 1E31 までの3桁は結構、早いかもよ ???? というウワサ ??
本当だといいなぁ ... 石野 ( KEK )